2010年の大晦日に「つくば道」を歩いた話

日本の道百選のひとつ、「つくば道」を訪れる。

つくばセンターから直行筑波山シャトルバスで筑波山神社入口の停留所まで約 40 分。そこから「つくば道」を下って筑波庁舎の停留所まで、ゆっくり歩いて 2 時間弱の散歩道。筑波山に近いところは勾配のきつい下り坂が続く。平地になったあたりで来た道をふと振り返ると、少し霞がかった空に筑波山が横たわる。

筑波庁舎から、今度は「つくバス」の北部シャトルにてつくばセンターに戻る。めずらしくステーキを食べたくなって、その足でステーキハウス「あさくま」へ。久しぶりに筑波を堪能した気分になりました。


Cannon EOS 30D, EF-S 10-22 mm / F3.5-4.5, 13mm, f/13.0, 1/200 秒露出

国際宇宙ステーションを見たという話

国際宇宙ステーション (ISS) は高度約 400 km (現在は 350 km ほど) で地球を周回しており、ちょうど日の出直前あるいは日の入り直後の時間帯に日本の近くを通ると、明るい点が空を横切る様子を地上から観測できる。自分の住んでいる地域からいつ ISS を見られるかは、JAXA の「ISS の目視予報情報」のページ (http://kibo.tksc.jaxa.jp/) が便利。

本日は 17:30 頃から、北西から南東へ向かう ISS が筑波からよく見えた。実に明るい。一緒に見えた金星よりもよほど明るい。これが 10 分ほどで地平線から地平線へと動くのだから、ISS だと知らない人が見たら驚かれるのではないか。なお関東〜関西くらいの地域では明日 (1/25) も観測条件は良いようなので、晴れることに期待。

ISS の差し渡しのサイズは 100 m ほどもあるので、天頂近くの最も近づいたときの視直径はおよそ 1 分角にもなる計算となる。視力 2.0 の人の角度分解能は 0.5 分角というから、目のいい人は ISS の「大きさ」を実感できるのだろうか。これだけ大きいから、太陽を背にした ISS (http://astrosurf.com/legault/iss_endeavour_transit.html) などという印象的な写真も撮れる。比べるべくもないが、手持ちの機材 (EOS30D + SIGMA 18-200 mm / F3.5-6.3 DC) とそもそもの私のウデではこんなもの。

Cannon EOS 30D, SIGMA 18-200 mm / F3.5-6.3 DC, 78mm, f/10.0, 10 秒露出

Twitter でつぶやく宇宙ミッションまとめ

今日日の宇宙ミッションは Twitter でよくしゃべる。

「電波を用いる分光―地球(惑星)大気,宇宙を探る― (分光測定入門シリーズ) 」

献本を頂く機会など滅多に無いのだか、執筆者のお一人との縁により、ありがたくも「サイン本」を頂戴した。

電波を用いる分光―地球(惑星)大気,宇宙を探る― (KS自然科学書ピ-ス)

電波を用いる分光―地球(惑星)大気,宇宙を探る― (KS自然科学書ピ-ス)

●目次



1. 電波とは?
   1.1. 身近なところで使われる電波
   1.2. 電波を利用した技術の発展の歴史
   1.3. 電波の分類



2. 電波を用いた分光で使われる機器と技術
   2.1. 電波の発生
   2.2. 電波の検出
   2.3. 電波の取り回し方
   2.4. PLL による発振器の周波数安定化



3. 実際の分光計測 1 −実験室における分光計測−
   3.1. 観測対象となる分子とエネルギー順位
   3.2. 超音速分子線と組み合わせたフーリエ変換マイクロ波分光法
   3.3. ミリ波およびサブミリ波領域での分光



4. 実際の分光計測 2 −電波を用いた大気観測−
   4.1. 電波による大気観測の特色
   4.2. 大気成分からの電波の放射
   4.3. 大気観測に用いられる装置 (ラジオメーター)
   4.4. 観測データの解析法
   4.5. 観測例



5. 実際の分光計測 3 −宇宙うからくる電波の分光− (分子・原子を用いた電波天文学)
   5.1. 電波天文学とは? −歴史的経緯〜現在の状況−
   5.2. どのような天体を観測するのか? また何がわかるのか?
   5.3. 観測で使われている装置 (電波望遠鏡) と技術
   5.4. 観測方法とデータ解析法
   5.5. 観測結果の具体例
   5.6. 今後の電波天文学の発展

ここで言う「電波」は、主としていわゆるマイクロ波からサブミリ波の領域を対象としている。周波数では 1 GHz から 1 THz ほど、波長は 10 cm から 0.1 mm くらい。身近な例で言うと携帯電話の通信キャリアは 2 GHz くらい、衝突防止の車載レーダは 76 GHz くらい、100 GHz〜 1 THz の応用技術はまだこれからという感じで、THz を超えると遠赤外線の端に引っかかってくる。「分光」というのは、光の世界で言えば太陽光をプリズムで赤・橙・黄・緑・青・藍・紫に分けるようなこと。すなわち電波を用いる分光とは電波の色を調べることである。

電波で分光を行う目的は様々であるが、一つには分子の種類や存在量や物理的状態を調べることにある。この世に存在する分子はそれぞれ特徴的な「色」で光っており、それを観測することによって、どのような分子がどのような状態で存在するのかを調べようというのである。もちろん分光技術は電波の専売特許では無く、電波は電波のメリット (もちろんデメリットもある) を活かした切り口で、赤外線など他の周波数帯 (波長帯) での分光観測との「差別化」を図ることになる。

本書では、この電波分光での代表的な 3 分野 (実験室内での計測、大気観測、宇宙観測) での第一線の研究者が執筆を分担しており、それぞれの分野で電波分光を行う利点や手法、具体的結果などを簡潔にまとめている。まえがきにあるように、卒業研究などで初めて電波による分光計測をすることになった大学学部生などが読者として相応しい。

この分野に限らず、大学の卒業研究くらいになると、その研究分野を俯瞰するような一般的な教科書は望むべくも無い。それは、一つには分野があまりにも細分化されすぎていて、出版社が教科書を作ってもペイしないという経済的な理由であり、さらに一つは日進月歩の分野において、今日書かれた教科書は明日には陳腐化してしまうという時間的な理由である。本書もまたその荒波から逃れることは不可避であるが、今この時代、電波分光というコミュニティに本書が供されたことは福音であり、今まさにこの分野に足を踏み入れた者にとってはバイブルとなること請け合いである。